第31章 積極的な行動4長期的な計画

翌日の午前。

冬木空は珍しく鈴木知得留に電話をかけてきた。

その時、鈴木知得留は朝食を済ませ、リビングで秋山玲奈と将棋を指していた。根岸史子が側で世話を焼き、根岸佐伯も当然、横に座って大人しい様子を見せていた。

電話が鳴り、鈴木知得留は意図的に甘い声で「空」と言った。

相手は明らかに一瞬戸惑い、しばらくしてから「周りに人がいるの?」と尋ねた。

「そうよ、何か用?」鈴木知得留は相変わらず甘ったるい声で答えた。

「結果が出た。時間があれば私の住まいに来てほしい」と冬木空は伝えた。

「はい、すぐに行くわ」鈴木知得留は甘く笑った。

相手はもう耐えられなかったのか、すぐに電話を切った。

秋山玲奈は鈴木知得留の様子を見て、笑いながら「冬木空からの電話?」と聞いた。

「うん、直接料理を作るから家に来てって」鈴木知得留は意図的にそう言った。