第43章 新婚の夜、私はあなたを待つ（報酬発表）

プロポーズの儀式はとてもロマンチックで心温まるものでした。海面全体に、長く続く花火が華やかに咲き誇っていました。

終わった後、冬木空は鈴木知得留を送り届けました。

その夜の出来事があって、二人の間には少し緊張感が漂っていました。

鈴木知得留は、冬木空がこんなことをするとは全く想像していませんでした。

車は鈴木邸の前に停まりました。

鈴木知得留が車を降りると、冬木空も車から降りてきました。

鈴木知得留は礼儀正しくお礼を言って、立ち去ろうとしました。

冬木空は彼女を呼び止めました。「鈴木さん」

鈴木知得留は実は彼にそう呼ばれるのが好きではありませんでした。

彼女は眉をひそめて、「冬木さん」と返しました。

冬木空は少し笑いました。

鈴木知得留は知っていました。冬木空は笑うのが好きな人ではないのに、この頃は時々彼の笑顔を見かけるようになっていました。

彼は笑いながら彼女の前に歩み寄り、相変わらず威圧的な態度でした。

彼の長い指が、彼女の顎を軽く持ち上げました。

彼女は一気に噛みついてきました。

「あっ！」冬木空は痛みを感じながら、からかうように「やっぱり犬年生まれだな」と言いました。

「自分の清らかさをそんなに大事にしているんじゃなかったの？」鈴木知得留は怒って言い返しました。

「ああ」冬木空は唇を拭いながら、何気なく言いました。「時と場合によるさ」

「新婚初夜、待ってるわよ」鈴木知得留は色っぽく笑いました。

冬木空はいつも鈴木知得留にからかわれていました。

「誘惑作戦？」冬木空は眉を上げました。

「男の人は皆好きでしょ」鈴木知得留は相変わらず妖艶でした。

「つまり...」冬木空は薄い唇を動かして、「お前が誘惑した男は多いってことか？」

「冬木の嫉妬名人さん」鈴木知得留はこのあだ名がぴったりだと思いました。「最初から最後まで、私が誘惑したのはあなただけよ。それも成功してないけど」

冬木空の緊張した表情がその瞬間少し和らいだようでした。

「ところで、私があなたの赤いあざのことを知ってることを気にしないの？」鈴木知得留は尋ねました。

「私にはないからね」冬木空は一字一句はっきりと言いました。

「そんなはずない！」鈴木知得留の表情が一変しました。