第51章 事が起こり8事故が発生

「姉さん、信じてないわけじゃないんだ」車内で、鈴木友道が口を開いた。

鈴木知得留は真剣に運転を続けていた。

「ただ、最近なぜこんなにも家で色々なことが起きているのか理解できないんだ」鈴木友道は窓の外の景色を眺めながら呟いた。「先日のスキャンダルも大騒ぎになったよね。僕が海外にいた時も噂を聞いたよ。今やっと軌道に乗ってきて、姉さんと冬木空が一緒になるのは良いと思う。正直に言うと、僕はずっと田村厚のことを見下していたんだ。なぜ姉さんが昔、彼のことを好きになったのか分からないよ」

昔なぜ好きになったのか?

鈴木知得留は思い返してみたが、理由が分からなかった。

田村厚はイケメンとは言えず、顔立ちは整っているという程度で、決して印象的ではなかった。大学時代、彼女は文学部で、彼は金融学部で、学部間の交流会で知り合った。最初は田村厚に全く興味がなかったが、後に二人とも学生会に所属し、田村厚は彼女に親切で、何でも手伝ってくれた。周りの人が二人は付き合っているのではないかと冗談を言い始め、そのうちに本当になってしまった。