相変わらず緊張感漂う法廷の中で。
鈴木知得留は田村厚を冷たい目で見つめ、彼の言い訳を聞くつもりもなく、時間を無駄にするつもりもなかった。
彼女は再び口を開いた。「動画はたった5秒。なぜこうなったのか、皆さんはお分かりでしょう?簡単です。前後にこの事件の隠された真実があるから、削除されたのです。法律は明確な事実を必要とすることは分かっています。私にはそれがないことを認めます。私はその動画を復元しようとしましたが、残念ながら高度な技術的保護がされていて、完全な動画を取り戻すことができません。あなたが根岸佐伯のために偽証をしたことを証明できない。はっきり言えば、私はあなたを告発できないのです。」
「私はそもそも何も...」田村厚は内心ほっとしたものの、鈴木知得留の威圧的な態度に震え上がっていた。
「田村厚さん、言葉に気をつけてください。多く語れば語るほど、間違いも増えるかもしれません。今は監視カメラの映像を復元できないからといって、一生できないわけではありません。技術は進歩し、いつかその日が来ると信じています。だから忠告しておきます。断言は控えめにした方がいいですよ!」
田村厚はその瞬間、また鈴木知得留に言い返せず、怒りで胸が張り裂けそうになった。
鈴木知得留は続けた。「私がこの場で、このような厳かな場所で、田村厚を告発できないと知りながらも彼と対質したかったのは、時間の無駄遣いをしたかったわけではありません。この法廷で、嘘をつけない場所で、一つのことを明らかにしたかったのです。」
依然として、全員の視線は彼女に注がれていた。
鈴木知得留はその瞬間、深く息を吸い、ゆっくりと話し始めた。「私が田村厚を愛していないということを明らかにしたかったのです。以前にも何度も言いましたが、明らかに誰も信じてくれませんでした。むしろ、私が田村厚への未練から根岸佐伯を迫害して流産させたと疑われ続けました。今では流産の罪は晴れましたが、田村厚への感情の疑いは晴れていません。そこで今、裁判官様とここにいる皆様の前で厳かに申し上げます。私は田村厚を愛していません。私は冬木空だけを愛しています!」
力強い一言が、法廷に響き渡るようだった。
告白された男性は傍聴席に座り、深い眼差しで鈴木知得留を見つめ続けていた。
彼女は勇気を振り絞り、正々堂々と。