第77章 彼女を娶る

鈴木知得留の愛の告白が終わった後。

二審が終了した。

裁判の結果、鈴木知得留の故意傷害罪、教唆罪は成立せず、その場で無罪釈放となった。原告の根岸佐伯は故意に罪を仕立て上げた罪で、事件のさらなる捜査が必要とされ、容疑者根岸佐伯は拘留され、後日再審となった。

一瞬にして人々の胸がすっきりした。

鈴木知得留は法廷を出て、心が軽くなった。

冬木空と道明寺華が入口で彼女を待っていた。鈴木友道は根岸史子の気を紛らわすため、秋山玲奈のところへ同行していた。

彼女は冬木空を見つめた。

冬木空も彼女を見つめ返した。

鈴木知得留は何故か頬が赤くなり、視線を逸らした。

彼女は大股で外へ向かった。

冬木空は軽く笑い、彼女の傍らを歩いた。

道明寺華も当然ながら寄り添い、藤田文は少し後ろを歩いていた。