第77章 彼女を娶る

鈴木知得留の愛の告白が終わった後。

二審が終了した。

裁判の結果、鈴木知得留の故意傷害罪、教唆罪は成立せず、その場で無罪釈放となった。原告の根岸佐伯は故意に罪を仕立て上げた罪で、事件のさらなる捜査が必要とされ、容疑者根岸佐伯は拘留され、後日再審となった。

一瞬にして人々の胸がすっきりした。

鈴木知得留は法廷を出て、心が軽くなった。

冬木空と道明寺華が入口で彼女を待っていた。鈴木友道は根岸史子の気を紛らわすため、秋山玲奈のところへ同行していた。

彼女は冬木空を見つめた。

冬木空も彼女を見つめ返した。

鈴木知得留は何故か頬が赤くなり、視線を逸らした。

彼女は大股で外へ向かった。

冬木空は軽く笑い、彼女の傍らを歩いた。

道明寺華も当然ながら寄り添い、藤田文は少し後ろを歩いていた。

法廷の外には、まだ多くの記者が待機していた。

法廷での判決は瞬く間に広まるだろう。

そのため、記者たちは既に情報を得ていた。

鈴木知得留は自分を取り囲む記者たちを見つめ、目の前でカメラのシャッター音が鳴り続けていた。

「鈴木さん、ついに冤罪が晴れましたが、何かおっしゃりたいことはありますか?」記者が大声で尋ねた。

鈴木知得留は時々この文字を扱う人々に感心することがあった。来る時はまだ彼女を皮肉っていたのに、今はすぐに別の顔を見せることができる。

彼女は答えた。「私は自分の潔白を証明しただけです。特に言うことはありません。」

「根岸佐伯は長年あなたを陥れてきましたが、ついに捕まって気が晴れましたか?」

「ただ心が冷えるだけです。」鈴木知得留は一言一言はっきりと言った。

記者たちは急いでまた質問した。「法廷で田村厚との関係を否定したそうですが?」

やはり、記者の情報網は最も早かった。

彼女は冬木空の方を見ずに、遠くにいる田村厚を見た。

田村厚は慌てて立ち去ろうとしたが、視線を感じて振り返った。

鈴木知得留は少し大きな声で、皮肉を込めて言った。「田村厚は常に私たちの過去の関係を盾に取ります。彼が自信過剰なのか、それとも別の企みがあるのか分かりませんが。私は、このような極端な方法で自分を証明せざるを得ませんでした。」

記者たちも鈴木知得留の視線の先を見た。

一部の記者が田村厚の元へ駆け寄った。