第61章 乙女の恋心(2番目)

その日の午後。

鈴木知得留は鈴木山からの電話を受けた。

判決が出たら控訴審を申請できるとのことで、内部手続きの関係で控訴審の日程がすでに決まっていた。来月10日、つまりあと15日後だ。

知らせを受けると、彼女は冬木空に電話をかけ、すぐにこの情報を共有したかった。

これは...乙女の恋心?!

鈴木知得留は冬木空のだらしない、でも魅力的な声を聞くのが楽しみだった。

しかし、相手の応答は良くなかった。「何の用だ?」

鈴木知得留は傷ついた。

彼女の熱意は一気に冷水を浴びせられたようだった。

鈴木知得留の沈黙に、向こうは眉をひそめ、冬木空は「何かあったのか?」と尋ねた。

今度は明らかに口調が柔らかくなっていた。

「控訴審の日程が決まったから、先に教えたくて。来月10日よ」鈴木知得留は元気なく言った。