第60章 駒に過ぎない、使えるなら使い、用なしなら捨てる!

鈴木別邸。

鈴木知得留と冬木空は事件について話し合いを終えると、鈴木知得留が積極的に誘った。「お昼ご飯を食べていきませんか?」

冬木空は断った。「結構です。忙しいので。」

鈴木知得留は口を尖らせた。

仕事の話が終わった後、二人で甘い時間を過ごすことはできないのだろうか?

鈴木知得留は冬木空が立ち上がり、帰ろうとするのを見つめていた。

彼女は期待を込めて彼を見つめた。

冬木空は去り際に彼女を一瞥し、明らかに微笑んだが、結局は立ち去った。

この冷血な男。

鈴木知得留は不機嫌になった。

しかし実際、彼女にもやるべきことが山積みだった。

当面の急務は控訴審の日程を確定することだった。

少し考えてから、電話を取って掛けた。

相手が電話に出た時の口調はとても悪かった。「何の用だ?」

「お父さん」鈴木知得留は親しげに呼びかけた。

「今さら頼んでも無駄だ。裁判所の判決だ、私にはどうすることもできない」鈴木山は冷たく言った。おそらく彼女の頑なな態度にまだ怒っているのだろう。

鈴木知得留は唇を噛んだ。「お父さん、私が間違っていました」

向こうは黙っていた。

「私は甘い考えを持っていたけど、今になって法律は公平だということがわかりました。でも三年の刑期は長すぎます。控訴審で減刑を申請したいんです」鈴木知得留は懇願した。「お父さん、お願いです。こんなに長く刑務所にいたくありません」

鈴木山は怒り心頭だった。「今になってわかったのか!最初に諭した時に聞かなかったじゃないか。法廷でおとなしくしていれば、刑期を2年以内に抑えることができた。1年の可能性だってあった!執行猶予の望みだってあったんだ。今更私に助けを求めるのか?鈴木知得留、お前の父親はもう若くない。お前の無茶にいつまで付き合えると思っているんだ!」

「ごめんなさい、お父さん」鈴木知得留は非常に素直な謝罪の態度を見せた。「次の控訴審では絶対にちゃんと振る舞います」

鈴木山の方でまた沈黙が続いた。

鈴木知得留は実によく分かっていた。彼女が要求を出せば、父親は基本的に断らないということを。

おそらく2分ほど経って、鈴木山が言った。「知得留、父さんはいつもお前の言うことを聞いてきた。今回も承知しよう。だがこういうことは二度と起こってほしくない」