書斎にて。
鈴木山は大変驚いていた。
「私も驚いています」鈴木知得留も多くを語らなかった。
全ての推測は確実な証拠を掴んでから父親に伝えようと思っていた。一つには父を心配させたくないため、もう一つは事を荒立てたくないためだった。
今では父の周りに一体どれだけのスパイがいるのかさえわからない状況だった。
「おばさんは知っているのか?」鈴木山は心配そうに尋ねた。
「今のところ知らないと思います」鈴木知得留は言った。心の中では皮肉っぽく、最初に知ったのはきっと根岸史子だろう!と思っていた。
「おばさんは体が弱いから、まだ言わないでおこう。私が事態を解決してから。ゆっくりとおばさんに話そう」
「はい」
鈴木山は急いで立ち上がって出て行った。
鈴木知得留はため息をついた。
根岸史子の正体が暴かれた時、父が大きなショックを受けて立ち直れなくなることが心配だった。