面接室の中。
面接を受けた人は全部で4人、その中には鈴木知得留と田村厚がいた。
二人は一人おきに座り、やや厳かな面接室の中にいた。
「鈴木知得留さん」面接官の一人が声をかけた。
「はい」知得留は礼儀正しく丁寧に答えた。
「あなたは試験で市内一位でしたね」面接官は彼女の履歴書を見ながら言った。
知得留は微笑んで「重要視していたので、長い間勉強しました」
「素晴らしい」面接官は満足そうだった。
「現在の東京の金融発展についてのあなたの見解を聞かせてください」
「不動産業界はまだ巨人であり続けるでしょう。現在の東京の人口増加率から見ると、住宅はまだ需要過多の状態が続くと思います。住宅の基本的需要以外にも、人口が増えれば周辺施設への要求も高まります。ショッピングモール、市場、学校、病院、公園、広場など、これらは全て金融業界がさらに発展できる方向性だと考えています」