田村厚との電話を切った後、根岸史子は少し横になったものの、心配で結局ベッドから起き上がった。
この時、リビングには秋山玲奈しかいなかった。
鈴木知得留は帰宅後、道明寺華と一緒に直接部屋に戻り、鈴木友道も自室に戻っていた。
秋山玲奈は根岸史子が起き上がるのを見て、不機嫌そうに言った。「死にそうなくせに、また何しに起きてきたの?」
「お母さん...」根岸史子は目を赤くして言った。「今回は全て私が悪かったんです。」
「もういいわ。鈴木山も気にしてないし、私みたいな年寄りが何か言うわけでもないわ。そんな泣き喚いて、まるで私があなたを虐めてるみたいじゃないの。」
根岸史子は涙を拭いながら、弱々しく言った。「お母さん、私、拘置所に根岸佐伯を見に行きます。」
「何しに会いに行くの?あんな下賤な奴に。」秋山玲奈は彼女の話題が出ただけで歯ぎしりした。