第81章 根岸佐伯の末路(2)私は生まれ変わってきた!

冷たい拘置所。

「よく考えてみると、私はいつから変わったのかしら」鈴木知得留は根岸佐伯の表情を見つめながら、冷たく言った。「なぜ突然、田村厚のことが好きじゃなくなったの?なぜあなたと田村厚は同じベッドに入ることになったの?なぜ私は自ら冬木空と結婚しようとしたの?なぜあなたたちの事故の時、私だけが助かったの!」

「鈴木知得留、あなた一体誰なの?!」根岸佐伯は驚愕して叫んだ。

違う、もう昔の鈴木知得留ではない。

誰もこんなに早く、こんなに徹底的に変わることはない。

どうして早く気付かなかったのか。

いや、母に告げなければ。母に早く鈴木知得留を殺してもらわなければ、早く彼女を殺さなければ!

「私が誰かは重要じゃない。重要なのは、根岸佐伯、あなたは今の立場がわかっているの?」鈴木知得留の表情は陰険だった。

根岸佐伯は叫んだ。「私を殺すつもりね!」

「人を殺せば命で償うのよ。そんなバカなことをするわけないでしょう?それもこんな場所で?」鈴木知得留は嘲笑した。

根岸佐伯は唇を噛みしめ、真っ赤な目で彼女を見つめた。「じゃあ一体何がしたいの!何をするつもり?」

「覚えてる?裁判の数日前に、私があなたに会いに来たこと」鈴木知得留は尋ねた。

根岸佐伯はもちろん覚えていた。

「あの時、私はあなたに警告したわ。あなたの母親があなたを利用していることを」

「離間を図ろうとしているのね!私があなたの罠にかかると思う?!」

「だから知らないんでしょうね。今、田村厚とあなたのいわゆる母親は、この事故との関係を必死に否定して、全ての責任をあなたに押し付けようとしているのよ」

「もともと母とは関係ないわ!」根岸佐伯は大声で言った。

鈴木知得留は早くから気付いていた、根岸史子の人心を掌握する能力に!

「実は、あなたは根岸史子の実の娘じゃないわ」鈴木知得留は言った。

根岸佐伯は全く信じなかった。「そんなはずない!何を言っても信じないわ」

「でも私は知っているわ、田村厚は実の子だってことを」

根岸佐伯はまた衝撃を受け、瞳孔が驚愕を隠せずにいた。

「あなたは田村厚と同じベッドに入った。もし実の兄妹なら、あなたの母親がそれでも付き合わせる?!」

「何を言っているのか分からない...分からない...」根岸佐伯は崩壊したように叫んだ。