病院の廊下にて。
鈴木山はため息をつき、「知得留、父さんが君を疑って申し訳なかった」と言った。
鈴木知得留は笑って、「気にしないでよ、お父さん。こんなことが起こるなんて誰も予想できなかったし、それに佐伯は家では良い子だったから、こんな陰湿なことをするなんて思いもしなかったわ」と答えた。
鈴木山は頷いて、「確かに予想外だった。裁判所から佐伯の自作自演だったと電話があった時、耳を疑ったよ。でもすぐに嬉しくなった。私の娘、鈴木山の娘がそんなことをするはずがない!これからは誰も私の娘の悪口は言えないぞ!」
「そうね」鈴木知得留は頷いて、「小さい頃からお父さんに育てられたんだもの。こんなに素晴らしいお父さんの娘だから、私だってそんなに悪い子のはずがないわ」
「まったく、相変わらず甘い口を利くね」鈴木山は満足げに言った。