北村忠は落胆した。
誰が彼は冬木心のことが好きだと言ったのだろう。
冬木心のような女が、兄のような素晴らしい人を選ばずに、貧乏な学生を好きになるなんて?!そんな愚かな人間には興味がない。
北村忠はパーティー会場へ向かった。
もちろん、友人たちの前で面子を失うわけにはいかない。
以前は冬木心のために命を懸けていたなんて、考えるだけで恥ずかしい。
彼は周りを見渡した。
くそっ、高橋武雄はどこに行ったんだ!
遠くに鈴木知得留を見つけ、近づいて尋ねた。「あなたのボディーガードの電話番号は?」
鈴木知得留は不思議そうな顔をした。
北村忠は言った。「緊急事態なんだ。」
鈴木知得留は北村忠に電話番号を教え、慌てて去っていく彼に声をかけた。「人殺しや放火なんかを道明寺華にさせないでよ!」