第92章 商業パーティー(3)北村忠の卑しい愛

北村忠は落胆した。

誰が彼は冬木心のことが好きだと言ったのだろう。

冬木心のような女が、兄のような素晴らしい人を選ばずに、貧乏な学生を好きになるなんて?!そんな愚かな人間には興味がない。

北村忠はパーティー会場へ向かった。

もちろん、友人たちの前で面子を失うわけにはいかない。

以前は冬木心のために命を懸けていたなんて、考えるだけで恥ずかしい。

彼は周りを見渡した。

くそっ、高橋武雄はどこに行ったんだ!

遠くに鈴木知得留を見つけ、近づいて尋ねた。「あなたのボディーガードの電話番号は?」

鈴木知得留は不思議そうな顔をした。

北村忠は言った。「緊急事態なんだ。」

鈴木知得留は北村忠に電話番号を教え、慌てて去っていく彼に声をかけた。「人殺しや放火なんかを道明寺華にさせないでよ!」