突然静まり返った法廷。
全員の視線が根岸佐伯に向けられた。
誰もが、いつも良い子を演じていた根岸佐伯が、仮面を剥がした後でこれほど邪悪になるとは想像もしていなかっただろう。
この面目丸つぶれは本当に痛かった。
根岸佐伯は街中の注目を浴び、被害者という立場が一瞬にして悪意に満ちた加害者へと変わった。今まで同情的な目で見られていたのに、今や突然、その毒蛇のような冷酷な心を嫌悪する目に変わった。
「違います、違います……全部彼女の嘘です。私を陥れようとしているんです!」根岸佐伯は涙を流しながら訴え、抑えきれない涙を流しながら、興奮して鈴木知得留を見つめた。「姉さん、姉さん信じて、田中さんが離間を図ってるんです。自分の罪を逃れようとして私を陥れているんです。姉さん、私を信じて、私たちはずっと仲が良かったじゃないですか……」