第148章 冬木空は一体誰なのか?(1更)

軍艦の甲板の上。

周りは全て軍人だった。

鈴木知得留と上野和明は片隅に立っていた。

鈴木知得留は心配そうに尋ねた。「和明さん、足は大丈夫?」

「問題ない。心配しないで」上野和明は気にしていない様子だった。

「無理しないでね」

「これは小さな傷だよ。軍人なら怪我は避けられない」

「でも、今回は私のせいで…」鈴木知得留は自責の念に駆られた。

上野和明は彼女を見つめた。

この危険な旅のせいで、彼女の顔にも傷跡がいくつも残っているのを見た。

彼は唇を噛んで、視線を逸らした。

「知得留、話があるんだ」と彼は言った。

「うん」鈴木知得留は彼を見つめた。

「君のお父さんから連絡を受けて、君を探しに来たんだ。実は、お父さんも直接来たがっていたけど、ここは危険だと思って、家で待っていてもらうことにした」