ホテルの会議室。
出席者全員が熱心に耳を傾けていた。
鈴木知得留も非常に生き生きと話していた。
楠木観月は席に座り、鈴木知得留の様子を見ていた。
彼女は知得留がこれほど表現力があるとは知らなかった。まるで初めて職場に入った人とは思えないほどだった。もし鈴木知得留の実際の年齢を知らなければ、彼女をキャリアウーマンだと思っただろう。そうでなくても、経験豊富な女性だと思っただろう。
しかし実際は、鈴木知得留はわずか22歳、大学を卒業したばかりだった。
彼女も22歳の時に商業管理機構に入ったが、鈴木知得留のような落ち着きと大人びた雰囲気、成熟した安定感は絶対になかった。
そう認識すると、心中穏やかではなかった。
さらに...今回の出張は、また鈴木知得留の評価を上げることになってしまった。