第161章 強引なプロポーズ、冬木空は彼女を好きだと告白!(1話目)連載開始で応援よろしく

商業管理ビルの下。

退社時間を過ぎても、まだ多くの人々が行き交っていた。

周知の通り、商業管理部での残業は日常的なことで、定時で帰る人はむしろ少なかった。

空はすでに暗くなっていた。

ビルの下のネオンの光が照らし出す冬木空の端正な顔立ち。

彼は黒いスーツに銀灰色のネクタイを締めていた。

長身で真っ直ぐな体つきは、よく仕立てられたスーツの中で特に凛々しく見えた。

黒い車の横に立ち、深い瞳で彼女をまっすぐ見つめていた。

鈴木知得留の足取りが少し止まった。

数歩の距離で、二人は見つめ合った。

周りの退社する同僚たちが多くの視線を向けてきた。

ほとんどの視線が冬木空に集中していた。

冬木空は余りにもハンサムで、目を引くほど、華やかで、近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。

テレビの大画面以外では、現実の世界ではめったに見られない存在だった。

そして彼の気品は、男性芸能人たちよりも高貴に見えた。

外見的な条件において、冬木空は間違いなく神に愛された存在だった。

鈴木知得留は軽く唇を噛んだ。

彼女は瞳を揺らし、周りを通り過ぎる同僚たちを見て、周囲の異様な雰囲気を感じ取った。

まるで、冬木空の出現によって再びトレンド入りしたような感覚だった。

彼女は足を踏み出し、冬木空の方へ歩み寄った。

彼女は思った。彼女と冬木空の感情の世界では、主導権を握るのは常に自分だろうと。

最初から最後まで。

彼女が歩き出した瞬間。

冬木空の横の黒い車のトランクが自動的に開いた。

そして。

トランクの中の点滅するライトが眩い光を放ち、夜空の下で特に目立っていた。

鈴木知得留はそちらを見た。

トランクの中には真っ赤なバラが満載で、バラにはラメとスパンコールが振りかけられ、トランクの連なる照明の下で、まるで花びらにダイヤモンドが散りばめられたかのように、目を奪うほど美しかった。

周りから驚きの声が上がった。

時折、心からの感嘆の声も聞こえてきた。「素敵すぎる。」

「わぁ、車一台分のダイヤモンドみたい。」

「まあ、どんな女性でも喜ぶわね。」

「鈴木知得留さん、本当に幸せね...」

鈴木知得留は実際それほどでもなかった。

特別幸せとは感じず、かといって特に好きというわけでもなく、拒否感もなかった。