夜は、幻想的で妖艶だった。
今目の前にいる冬木空のように、神秘的で魅惑的だった。
鈴木知得留は冬木空の突然の行動にいつも驚かされていた。
とても驚いていた。
この人生で、彼からこの言葉を聞くのは難しいと思っていた。
好きでも言わないだろうと。
そして今、彼女は冬木空の白い頬が明らかに赤くなっているのを見た。
冬木空はそれでも落ち着きを保ち、真っ直ぐに彼女を見つめていた。
明らかに、照れているのだろう。
鈴木知得留の胸が小さく揺れ、唇を軽く噛んだ。
今夜、彼女は唇をほとんど噛み切りそうだった。
冬木空が与える衝撃は、時として爆弾のように、彼女の頭を真っ白にしてしまう。
お互い、また死のような沈黙が訪れた。
鈴木知得留は冬木空を見つめた。
彼の赤い頬がまだ赤く、耳まで赤くなっているのを見た。