第167章 村上紀文、お前は母親と同じように気持ち悪い(2更)

一回の夕食で、喜ぶ家族もいれば、悲しむ家族もいた。

夕食後、冬木空は鈴木知得留を送り届けた。

今夜は夜景が良く、実は恋を語るのにぴったりだった。

鈴木知得留は突然北村忠のことを思い出し、北村忠を...あまりにも悲惨にしてはいけないと感じた。

彼女は、こんなに積極的で明るい青年が人生を疑うほど傷つくのが怖かった。

車は鈴木邸の門前で止まった。

冬木空は車を降り、鈴木知得留のためにドアを開けた。

北村忠は後部座席に座ったまま、かなりくつろいでいる様子で、時々小さな歌を口ずさんでいた。

見たところ、今夜の不愉快な出来事はすっかり消え去ったようだった。

本当の心の内はどうなのか、誰にもわからない。

鈴木知得留は冬木空に別れを告げた。

彼が彼女を門まで送り、帰ろうとした瞬間、鈴木知得留は突然冬木空を引き止めた。