第208章 反撃を学ぶ(1)斎藤咲子が脅迫される

暗い斎藤邸。

村上紀文は薬箱の中から胃薬を探り当てた。

胃薬はほとんど彼が飲んでいたので、何錠か減っているのがよく分かった。

振り向いて口を開こうとした時。

斎藤咲子はすでに去っていた。

村上紀文は唇を軽く噛み、薬を取り出し、水で飲み込んだ。

胃薬はすぐには効かないが、徐々に症状が和らいでいく。

一歩一歩部屋に戻り、ベッドに横たわった。

天井を見つめながら、なぜか呆然としていた。

いつか、斎藤咲子も自分のようになってしまうのだろうか!

翌日。

村上紀文が起床した時、斎藤咲子はすでに根岸峰尾を連れて邸を出ていた。

昨夜は結局なかなか眠れなかった。胃の痛みのせいなのか、考え事が多すぎたのか分からないが、幸い今朝は胃の具合もよくなり、全体的に少し元気になっていた。

階下に降りる。