朝の日差しが、大きなガラス窓から差し込んでいた。
ベッドの上の人は少し疲れた様子で寝返りを打ち、少し固くなった布団を抱きしめながら、目を開けた。
うーん。
目の前に近距離で顔が。
鈴木知得留の心臓が早鐘を打った。
しばらくして、やっと昨日結婚したことを思い出した。
これからは、二人で目覚める朝を迎えるのだ。
彼女は冬木空を見つめた。
朝の冬木空の、こんなにも柔らかな表情を。
彼の髪は下ろされていて、後ろに撫でつけた時の威圧感や距離感はなく、普段は威厳のある顔立ちが、今はとても柔らかく見えた。
彼女はただそうして彼を見つめていた。
とても気持ちよさそうに眠る彼の姿を。
彼女が静かに体を起こそうとした時。
すぐに抱き寄せられた。
「冬木空、寝たふりしてたの?」鈴木知得留は不満げに言った。
冬木空は低く笑った。
「離して、トイレ行きたいの。」
冬木空は名残惜しそうに彼女を放した。
鈴木知得留の頬は真っ赤に染まっていた。
彼女は裸足のまま浴室に駆け込んだ。
浴室で、鈴木知得留はトイレに座り、自分の赤くなった顔を見つめた。
昨夜は生理が始まってしまったため、新婚初夜は台無しになってしまった。冬木空も彼女に何もしなかった。鈴木知得留は冬木空が怒っているのかと思った。一晩中距離を置かれていたのに、今朝になってこんな風に。
鈴木知得留は深いため息をついた。
なぜ生理がこんなにも正確なタイミングで来るのか分からない。昨日の朝、ミルクバスに浸かっている時は何ともなかったのに。少し心配はしていたものの、期待も持っていた。でも夜に、夜にシャワーを浴びている時に来てしまった。
冬木空からプロポーズされた時、新婚初夜は後悔することになるかもしれないと警告したのに。
もちろん、彼は気にも留めなかった。
今となっては、自業自得ね。
トイレを済ませ、血が漏れていないことを確認してから、洗面所に向かった。
洗面台の上の歯ブラシを見つめた。
ピンク色と青色。
洗面台のコップを見つめた。
ピンク色と青色。
横の洗顔タオルを見つめた。
ピンク色と青色。
すべてが二人分、ペアになっていた。
胸が温かくなった。
これまで結婚が何を意味するのか、二人で暮らすこと以外に、実際どういうものなのか分からなかった。