第262章 これからは、母子の縁を切る！（2更）

道明寺華の家で。

道明寺華は相変わらずソファの隅に座り、スマホをいじりながら、彼らの会話には参加しようとしなかった。

鈴木知得留は出前を注文した。

出前を待つ間、鈴木知得留は話題を切り出した。「今日のことは、渡辺菖蒲と村上紀文の仕業なの？」

「他に誰がいるというの？」斎藤咲子は皮肉っぽく笑った。

「本当に卑劣ね。」

「もう慣れたわ。子供の頃から、村上紀文が私に近づいてきて、そして捨てていった時から、彼らの仕打ちには全て慣れてしまったの。スキャンダルを暴露するくらいなんて大したことじゃない。彼らが私をレイプさせようとしても驚かないわ。」斎藤咲子は率直に語った。怒りを感じるはずの言葉なのに、この瞬間はとても冷静だった。

鈴木知得留の表情が動揺を見せた。

逆に斎藤咲子が慰めるように言った。「大丈夫よ、本当に慣れてしまって、もう辛くもないの。ただ、冬木郷に申し訳ないと思うだけ。」

これは本当だった。

怒りを吐き出した後に残ったのは、冬木郷への申し訳なさだけだった。

彼女は渡辺菖蒲と村上紀文からのあらゆる傷つけを耐えることはできるが、罪のない人を巻き込むべきではなかった。

最初から、冬木空の条件を受け入れるべきではなかった。

最初から、冬木空と直接株式を交換すればよかった。

鈴木知得留はため息をつき、「実は、私個人的には、あなたが冬木郷にそこまでする必要はないと思うわ。郷はあなたの過去なんて気にしないはずよ。」

「わかってる。」斎藤咲子は頷いた。冬木郷が優しくて善良な人だということはわかっていた。でも、「私は自分の汚れを受け入れられないの。」

鈴木知得留はそれが理由だとわかっていた。

「最初はそこまで考えてなかった。私も単純に、運命の人に出会う前は自分にだけ責任を持てばいいと思っていた。過去は単なる不幸な出来事で、郷には知らせなくていい、残りの人生で償えばいいと。でも今はわかったの。起きてしまったことは、一生消えない汚点になる。一生私について回り、洗い流すことも消すこともできない。」

「あなた、極端すぎるわ。」鈴木知得留は諭すように言った。「郷とちゃんと話し合ってみたら？彼なりの考えがあるかもしれない。そんな簡単に死刑宣告するようなことじゃないわ。」