「村上紀文、あなた狂ったの?!」渡辺菖蒲は信じられない様子で息子を見つめた!
「狂ってなんかいない!」村上紀文は強く言い返した。「これだけの年月、斎藤家への復讐は十分だ!」
「十分じゃない、どれだけやっても足りない!斎藤家の者を全員殺さない限り、私は決して諦めない!」
「なら、私たちは袂を分かつしかありませんね」村上紀文は断固とした答えを返した。「斎藤祐はもう死んだ。前の世代の恨みはここまでだ!父の死と斎藤咲子には何の関係もない。なのに私たちは、咲子が受けるべきではない罪を全て彼女に押し付けてきた。あなたが受けた傷の仕返しをするのなら、もう十分でしょう!今の斎藤咲子には、彼女の人生があり、幸せを追求する権利がある。私たちがとやかく言う立場じゃない。もしあなたが彼女への復讐を続けるなら、私はあなたの敵として立ちはだかります!」