第267章 これほどまでに尽くすのは、私のことが好きだからなの?(2更)

北村系副部長室。

北村忠は椅子から立ち上がり、窓際に歩み寄って、一本のタバコを吸った。

世間は村上紀文を渣男だと思っているが、おそらく彼だけが村上紀文の気持ちを理解できるだろう。

村上紀文のこの行動は、彼自身がこれからしようとしていることと同じだった。

そしてなぜそうするのか、その目的は彼らにはよくわかっていた。

タバコを一本吸い終わると、また電話を手に取った。

村上紀文は執務室で、手元の仕事を処理していた。

この一週間、外部のニュースは沸き立ち、彼への疑念は増すばかりだった。しかし彼は毎日出勤し、社員たちの異様な視線に耐え、依然として集団の大小の会議を主催し続けた。他人が彼をどう見ようと、斎藤咲子でさえ村上紀文が何をしようとしているのか、何をしているのかわからなかった。