第268章 死ぬなら道連れを(3番目の更新)

牢屋の中で。

田村厚は鈴木知得留と話すことをやめ、楠木観月の隣に座っていた。

明らかに楠木観月も相当怯えていて、ここに連れてこられてから、ずっと顔色が悪かった。

鈴木知得留も彼らを気にせず、自分の推測は正しいのかと考えていた。

以前、上野和明がここの人々は外部の人間を嫌うと言っていた時、なぜそんなに排他的なのか不思議に思っていたが、今ははっきりしている。誰かが意図的に吹き込んでいるのだ。自分の利益のために、この村の住民を利用しているのだ!

鈴木知得留は怒りを感じていた。

日本国のような民主的な国に、こんな場所があるなんて信じられなかった!

誰もこの不公平に気付かないのだろうか?商業管理部の人々は、この村が遅れているということしか知らず、このような暗部の存在を知らないのか?それとも……

鈴木知得留は背筋が凍った。

それとも、死に送り込まれることを承知で彼らを送り込んだのか!

鈴木知得留はその瞬間、はっと気付いた。

青木太一が堂々と彼女を殺すはずがない。日本国のような場所では、当然スケープゴートが必要なのだ!

そしてそのスケープゴートは、おそらくここの統領だろう。

鈴木知得留は田村厚の方を向いた。彼の顔色が悪いのは、明らかに演技ではない恐怖からだった。

だから田村厚は最初から最後まで何が起きているのか知らなかったのだ!

しかし田村厚はいずれ知ることになる。

彼女の推測では、この事件の後、田村厚はすぐに自分の身分を知ることになり、その後、青木太一は彼に自分の地位を継がせるだろう!

このような水が流れるような段取り、田村厚が生きて帰れるかどうかにかかっている!

鈴木知得留は道明寺華の方を向いた。

道明寺華は鈴木知得留の視線に気付き、同じように彼女を見つめ返した。

まだよかった。

道明寺華は少しも怖がっていない。

彼女が怖がっていないなら、自分も安心できる。

壁に寄りかかって座り、上野和明は自分の身に何かあったことを知っているのだろうかと考えた。この場所に入ってきた時は暗すぎて、人が多いということ以外わからなかった。潜入は可能なのだろうか?救出されることはできるのだろうか。

救出される前に、この場所で死んでしまうかもしれない!

深く息を吸い、自分を怖がらせるべきではないと思った。冷静に自分の身を守る方法を考えるべきだ。