個室の中。
北村忠は酔っ払って朦朧としていた。
木村文俊は仕方なく、冬木心に電話をかけた。
「文俊」
「心、僕は北村忠と食事をしているんだけど、彼が酔っ払ってしまって」
「どうして北村忠と食事を?彼から誘われたの?」冬木心の口調はあまり良くなかった。
「いや、僕から誘ったんだ」
「あなたが誘ったの?」
「彼の理解に感謝したくて」
「彼が理解してくれなくても良かったのに」冬木心は率直に言った。
木村文俊は笑って言った、「どちらにしても、私たちは正式に認められたんだ」
「うん」向こうで小さく笑い声が聞こえた。
「来られる?北村忠を動かすことができなくて、僕も少し飲んでしまったから、車も運転できないんだ」
「わかった。すぐに迎えに行くわ」
木村文俊は電話を切った。
振り向くと、すでに酔っ払っている北村忠がいた。