第270章 人を殺す刀を借りる(2)

一行は長い距離を走り続けた。

突然、全員が立ち止まった!

目の前に黒服の男たちが現れ、彼らの行く手を遮った。

そして、後ろからも黒服の男たちが素早く追いつき、完全に包囲された。

一体、彼女一人を殺すために、青木太一は何人もの部下を動員したのか?!

鈴木知得留は目の前の集団を凝視した。

上野和明も警戒を解かず、彼らと対峙していた。

道明寺華は田村厚を拘束しながら、周囲の様子を窺っていた。

前方の黒服の男たちが、一歩一歩と鈴木知得留たちに近づいてきた。

鈴木知得留たちは進退窮まっていた。

鈴木知得留は大声で叫んだ、「これ以上近づくと、田村厚を殺すわよ!本当に殺すわ!」

田村厚は驚愕し、鈴木知得留に向かって叫んだ、「鈴木知得留、私を殺せば法に触れるぞ。死んでも許さない……」