第291章 青木太一の末路(1)因果応報(3)

対峙する鈴木知得留と青木太一。

青木太一は70代で、長年人を指揮することに慣れ、人に媚びられることに慣れ、全ての人が彼の命令に従うことに慣れていた。

そしてこの瞬間、鈴木知得留という若造に脅されているとは!

彼は自分の息子を見つめた。

彼の安全を確保するため、誰にも発見されないようにするため、彼への教育は最小限に抑えていた。今や完全に魂を失ったような息子の姿を見て、その時、かつての決断を少し後悔した!

やはり、田村厚を自分の側に置いて、自ら育て、自ら導くべきだった!

このように。

田村厚には相続人の座に就く能力が全くなかった!

彼は険しい表情で、鈴木知得留に言った。「分かった、一緒に東京に戻ろう。」

鈴木知得留は青木太一がこんなに早く折れるとは思わなかった。

東京に戻れば、青木太一は彼女に手出しできないし、もちろん彼女も田村厚を殺せなくなる。

実は。

あの時田村厚を殺せなかった時点で、彼女は分かっていた。自分は田村厚を殺せない、人を殺すことはできないし、華や上野和明に殺人の罪を背負わせることもできない。一人の田村厚のために一生の影を背負う価値はない。必ず正当な法的手段で田村厚に相応しい結末を迎えさせることができる。

彼女は道明寺華に田村厚を連れて青木太一の後を追わせた。

一行はヘリコプターに向かった。

乗り込もうとした時。

周囲で突然銃声が響いた。

青木太一は驚き、金田貫一に怒鳴った。「誰が撃った!」

金田貫一は急いで振り返り、その瞬間青木太一を地面に押し倒し、自身もヘリコプターの後ろに転がり、全員に叫んだ。「伏兵だ!」

鈴木知得留の胸が締め付けられた。

青木太一以外にも、別の勢力が存在するのか?!

鈴木知得留もその時ヘリコプターの後ろに隠れた。

道明寺華は銃を田村厚に向けたまま、周囲も警戒していた。

この時周囲は、至る所で銃声が響き、死傷者が続出していた!

鈴木知得留は唇を噛みしめ、緊張せず怖がらず震えないようにと自分に言い聞かせた。

しかし制御できなかった。

自分の体を制御できなかった。

そして彼女は、伏兵が誰なのか分かっていた!

冬木空以外に、他の誰でもあり得ない!

そして彼はいつ来たのか、どれだけ長く隠れていたのか、彼女が必死に逃げ回る姿を見ていたのだろうか?