厳重警備の部屋の中で。
君島博は一字一句丁寧に金田貫一に注意を促した。
金田貫一の顔色は険しかった。
君島博は金田貫一の様子を見ながら、また口を開いた。「金田チーフ、結局のところ、秋は我々政府の人間です。最終的に鈴木山の方で助力するか、それとも…」
金田貫一は君島博を見つめた。
彼が意図的に言葉を途切れさせ、意図的に言い切らないのを見ていた。
「これは全て金田チーフと青木さんの態度次第ですよ!」
金田貫一は冷笑して、答えなかった。
君島博もそれ以上は何も言わず、立ち上がって部屋を出た。
ドアの前で青木晴人と出くわした。
彼は薄く笑みを浮かべた。「青木さん。」
「君島さん。」青木晴人はいつもの冷たい態度を保ち、この時も無表情だった。
二人は儀礼的な挨拶を交わしただけで、君島博はそのまま立ち去った。
青木晴人は君島博の背中を見つめ、顔色は最悪だった。
彼は部屋に入った。
金田貫一は部屋の紫檀の椅子に座り、顔を引き締めて、恐ろしい様相を呈していた。
青木晴人は実のところ、父親に対してある程度の畏れを抱いており、その瞬間はその場に立ち尽くし、口を開く勇気が出なかった。
金田貫一は息子を見上げて言った。「政府というのは本当に現実的だな。」
青木晴人は頷いた。
「我々がこの件で彼らを助けることができなかっただけで、こんな方法で我々を脅してくるとはな!」金田貫一は激しく言い放った。
脅す?
青木晴人は実は先ほどドアの外で、彼らが何を話していたのかよく理解できていなかった。
先ほどの君島博の言葉は、これは父の決定であって彼には関係ないということではなかったのか?
金田貫一は率直に言った。「君島博は我々に圧力をかけているんだ。鈴木家に手を出すよう強要してきている。」
青木晴人は父親を見つめた。
彼は本当に君島博の言外の意味を聞き取れていなかった。
彼は純粋に、今回鈴木知得留に出し抜かれた後、君島博は鈴木家の能力を見込んで取り込もうとしているから、彼らにこのような態度を取っているのだと思っていた。
彼は自分の考えを口に出す勇気もなかった。
言えば父親に軽蔑されるのではないかと恐れていたからだ。