全員が政治家の五女を見つめていた。
とにかく、君島博と君島御門は、重要な用件で父親と共にテレビ画面に登場することがあり、多かれ少なかれ見かけたことがあったが、政治家の五女は確かに一度も公の場に姿を現したことがなく、今回商業管理部の祝賀会に現れたことは、決して普通のことではなかった。
鈴木知得留は静かに君島秋を観察し、彼女の恥ずかしそうな笑顔を見つめていた。
その瞬間、隣の青木晴人を見やると、彼の笑顔が少し得意げすぎるように見えた。
つまり。
君島博が君島秋を連れてきたのは……青木晴人のためだったのだ。
彼女は唇を噛んだ。
君島博と青木晴人、そして金田貫一が結託して、自分の妹を青木晴人に嫁がせようとしているのは、不自然なことではない。
彼女の瞳が微かに動いた。
その時、青木晴人の視線が自分に向けられているのに気付いた。