第360章 沈黙の爆発(2)村上紀文にそんなに無関心なの!

食堂にて。

道明寺華はチキンスープを飲んでいた。

彼女は肉料理を食べたことがなく、初めて口にして、まるで新大陸を発見したかのようだった。

機会があれば、師匠や師兄弟たちに、肉は実においしくて、苦くないということを伝えたいと思った。

彼女は美味しそうに食べていた。

斎藤咲子は数口しか食べず、明らかに食事を楽しめていなかった。

鈴木知得留も彼女に無理に食べるよう強要はしなかった。

結局、みな大人なのだから、自分の体調は自分で管理できるはずだ。

「村上紀文に会いに行かなかったの?」と鈴木知得留は尋ねた。

「行ってません」と斎藤咲子は率直に答えた。

たとえニュースで九死に一生を得たと報じられていても。

「根岸峰尾はどう?」と鈴木知得留は話題を変えた。

斎藤咲子が村上紀文の話題になると、明らかに拒絶反応を示すからだ。