病院のVIP病室。
北村忠がしばらくして戻ってきた。
戻ってきた時には警察官が二人ついてきていた。
広橋香織は北村忠の顔を見て、表情が暗くなった。
北村忠は母親の様子を一目で察し、すぐに説明した。「冬木心のところに行くわけじゃないんです。警察が冬木心に用があるんです。」
「警察に目も足もないの?自分で見つけて歩けないの?」広橋香織は冷たく言い放った。
警察官たちは横で居心地が悪そうだった。
その時、咳払いをして、わざと広橋香織の注意を引いた。
広橋香織は二人の警察官を横目で見たが、まったく悪びれる様子はなかった。
北村忠も母親に口答えする勇気はなかった。
この二日間、母親は爆弾を抱えているかのようで、彼女を怒らせたら大変なことになる!
警察官が率先して口を開いた。「道明寺華さんに少しお話を伺いたいので、他の方は席を外していただけますか。」