第393章 広橋香織という女は本当に冷血だ!

北村忠は恐縮しながら、父親に呼ばれた場所へと向かった。

北村英の邸宅。

北村忠は玄関で少し待った。

父親が叔母の家にいる理由がよく分からなかった。

叔母は彼らの家をこんな目に遭わせたのに、父親がまだ叔母と付き合えるなんて、頭がおかしいんじゃないか?!

そう考えていると。

父親と林夢が叔母の邸宅から一緒に出てきた。

うわっ。

今どういう状況だ。

林夢がなんで父親にあんなにべったりくっついているんだ?!

父親はついに妖精に誘惑されたのか?!

北村忠は顔を曇らせ、急いで運転席から降りた。

北村雅は林夢を連れて直接近づいてきた。

北村忠は林夢を睨みつけ、その視線の鋭さに林夢は背筋が凍るような思いをした。

「北村忠、来たのね?」林夢は優しく声をかけ、口元に笑みを浮かべた。

北村忠は林夢から視線を外し、イライラした様子で父親に言った。「頭おかしくなったの?今林夢と一緒にいるってことは、もう広橋さんと復縁する気はないってこと?!」