鈴木邸。
鈴木知得留と鈴木山が大広間に座っていた。
二人とも黙り込んでいた。
誰も口を開く方法が分からないようで、空気が一時とても気まずくなった。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。
鈴木知得留が話そうとした瞬間、鈴木山が突然口を開いた。
「知得留、父さんがお前を信じられなかったんだ」
鈴木知得留は唇を強く噛みしめ、言おうとした言葉を飲み込んだ。
彼女は黙って父親の話を聞いていた。
「あの時、本当に怒り過ぎてしまった。自分の娘がそんなことをするなんて思いもよらなかった。本当に心が凍るようだった。だから頭に血が上って、何も考えずに、すぐにお前との親子関係を断絶すると公表してしまった」
鈴木知得留はただ黙って聞いていた。
昔は父親が世界で一番の人だと思っていた。いつも甘やかしてくれた。