鈴木邸。
鈴木知得留と鈴木山が大広間に座っていた。
二人とも黙り込んでいた。
誰も口を開く方法が分からないようで、空気が一時とても気まずくなった。
どれくらいの時間が経ったのだろうか。
鈴木知得留が話そうとした瞬間、鈴木山が突然口を開いた。
「知得留、父さんがお前を信じられなかったんだ」
鈴木知得留は唇を強く噛みしめ、言おうとした言葉を飲み込んだ。
彼女は黙って父親の話を聞いていた。
「あの時、本当に怒り過ぎてしまった。自分の娘がそんなことをするなんて思いもよらなかった。本当に心が凍るようだった。だから頭に血が上って、何も考えずに、すぐにお前との親子関係を断絶すると公表してしまった」
鈴木知得留はただ黙って聞いていた。
昔は父親が世界で一番の人だと思っていた。いつも甘やかしてくれた。
母の死によって、父は自分に対して負い目があるから、他の父親より娘に優しくしてくれていたのだと思っていた。
今では少し疑問に思い始めていた。
時々、父親の態度は見せかけの部分が多いのではないかと思うようになった。まるで他人に家庭的な人間だと思わせるためだけのように。
鈴木山は鈴木知得留から返事がないので、さらに続けた。「今回は父さんが悪かった。謝らせてくれ」
鈴木知得留はまだ何も言わなかった。
鈴木山は深いため息をつき、その瞬間とても老けて見えた。「お前が許してくれなくても当然だ。私自身を許せないくらいだ。だから、お前が刑務所に入って裁判の時も、実は後悔していたんだが、面目が立たなくて会いに行けなかった…」
「お父さん」鈴木知得留が口を開いた。
鈴木山は期待を込めて彼女を見つめた。
鈴木知得留は「お父さん、面目が立たなかったのに、なぜ今は立つようになったの?」と言った。
鈴木山の顔に隠しきれない戸惑いが浮かんだ。
鈴木知得留は目を伏せた。
時々、父親の作り笑顔を見るのが怖くなることさえあった。「私が無罪釈放されるまでは、ずっと面目が立たなかったんでしょう!」
「父さんは分かっている。お前が恨んでいることも。父さんはお前の許しを求めているわけじゃない」鈴木山はこの話題を避けるように言った。「今回のことは父さんが間違っていた。お前が許さないのも当然だ…当然なんだ」
鈴木山はそう繰り返し呟いていた。
とても寂しげに見えた。