第413章 甘い旅路、蜜のように甘く(特典付き)

冬木空は厚着をして、鈴木知得留と一緒に食事に出かけた。

外出といっても、ホテルのレストランだけだったが。

レストランはそれほど混んでいなかった。

彼らはウェイターに窓際の席に案内された。

二人は向かい合って座り、注文をした。

そして料理を待った。

鈴木知得留は実際にはあまり海外に行ったことがなく、幼い頃から東京で育ち、外出できたのは両親に連れられて旅行に行くときだけで、それもごくわずかな時間だった。

鈴木山は頻繁に海外に行っていたが、それは公務のためで、彼女を連れて行くことはできなかった。

根岸史子は時々良い人を演じることもあったが、それも日本国の周辺旅行だけだった。

だから。

鈴木知得留は実際、本当に世間知らずな人だった。

冬木空とは違って、彼は幼い頃から海外で学んでいた。

そして海外のあらゆる様相に慣れていた。

鈴木知得留は黙々と床から天井までの窓の外の文京区を眺めていた。昨夜見たのは絵のように美しい夜景で、今日見るのは街全体の繁華さで、陽光の下で高層ビル群が輝きを放ち、大都市の既視感が非常に強かった。

鈴木知得留は静かに窓の外を見つめていた。

冬木空は静かに彼女を見つめていた。

あの甘ったるくて感傷的な言葉は「あなたは橋の上から景色を眺めているが、知らぬ間にあなた自身が誰かの景色になっている」というものだ。

まるで今の彼らの姿そのものだった。

隣の席から突然女性の声が聞こえた。

彼女はこの若いカップルを見つめながら、ふと「若いっていいわね」とため息をついた。

自分が若かった頃を思い出すと、まるで一世紀も前のことのようだわ!

「斎藤夫人もお若いですよ」傍らのウェイターが恭しく言った。

古川朱音は首を振り、また一つため息をついて「あなたって口が上手ね」と言った。

「斎藤夫人は40代くらいにしか見えません」ウェイターは真面目な口調で言った。

「本当?」

「本当です」ウェイターは確信を持って言った。「よく見ると、斎藤夫人の顔にはしわひとつ見えません。誰も斎藤夫人がもう祖母になられているとは思わないでしょう」

古川朱音は幼い頃から褒められるのが大好きだった。

年を取ってもこの習慣は直らなかった。

「いい子ね」と言いながら、古川朱音はウェイターの胸を軽くたたいた。

わお。

とても引き締まった胸筋だ。