第489章 道明寺華の配信、自力更生（3更）

井上明と北村英の裁判が終わった。

北村忠と冬木心は被害者として法廷に出席し、今、裁判所を出ていた。

記者たちが殺到した。

「北村さん、冬木お嬢様、井上明の判決結果について、満足していますか？」

「北村さん、井上明は多くの悪事を働き、あなたたちに多大な被害を与えましたが、今このような結末を迎えて、何か言いたいことはありますか？」

「社長、あなたと冬木お嬢様は噂話のせいで結婚式を中止しましたが、次の結婚式の予定はありますか？」

……

記者からの質問は多かった。

北村忠は冬木心が記者に対応したくない様子を見て、その瞬間、記者たちに怒りを感じた。

彼は言った。「私たちは裁判所の判決に満足しています。悪事を働いた者は相応の報いを受けました。私たちが受けた被害についても、もう触れないでください。この件は既に終わりを迎え、私たちはこの事件に関するいかなる質問にも答えません。皆様のご理解をお願いします。」

「社長、私はただ、いつ冬木お嬢様と再び結婚式を挙げるのか聞きたかっただけです」北村系のある記者が急いで言った。

「それは今後のことです。決まり次第、もちろん真っ先に北村系にお知らせします。ご安心ください。他のメディアには良い情報は渡しませんから」北村忠は真面目そうに答えた。

記者たちは笑いが止まらなかった。

「皆様、道を開けてください。ありがとうございます」北村忠はそれ以上話さず、冬木心を守りながら群衆の外へ向かった。

二人は苦労して記者の群れから抜け出した。

ある記者が突然、彼らの後ろで大声で言った。「北村さん、道明寺華がライブ配信をしていることをご存知ですか？」

北村忠の体が一瞬固まった。

冬木心は北村忠に抱かれながら、その瞬間、明らかに北村忠の異変を感じた。

冬木心は彼を見上げた。

北村忠は記者に答えなかった。

その記者は諦めずに大声で言った。「道明寺華は自らライブ配信で認めました。生活費を稼ぐためにライブ配信をしているそうですが、北村さんは息子の養育費も道明寺華に渡していないのですか？」

北村忠の表情が暗くなった。

冬木心の表情も暗かった。

北村忠が冬木心を連れて車に乗ろうとしたその瞬間。

冬木心は突然足を止め、記者たちの方を向いた。

記者たちは冬木心が話すのを見て、すぐに集まってきた。