第498章 試合、ナショナルチームに入る気はない?(2更)

翌日。

午前10時10分。

道明寺華が配信ルームに現れた。

虎の調子が今日はあまり良くなかったので、10分遅れた。

配信を始めるなり謝罪した。「すみません、今日は息子が少しうるさくて、遅れてしまいました」

「もういいよ、みんな待ってたから、早くJoe様と繋いで!」

「早く早く、Joe様の方は10分前から待機してるよ」

「道明寺華、頑張って!Joe様を征服できますように」

配信開始と同時に、コメント欄が荒れ狂った。

この配信、道明寺華とJoeのコラボは、金魚配信プラットフォームの視聴率の80%を占めているという。

道明寺華は急いで操作して、Joeと接続した。

二人は自由に会話できるようになった。

Joeが「華さん、こんにちは」と言った。

とても自然な挨拶で、声は心地よかった。

多くの人がJoeの配信を見るのは、彼の凄腕な操作だけでなく、特に魅力的で心地よい声のせいでもあった。配信のコメント欄は「耳が妊娠しそう」という言葉で埋め尽くされていた。

「こんにちは」道明寺華は丁寧に返した。

Joeに対して、特に媚びるような態度はなく、普通の人との会話のように接していた。

コメント欄がまた爆発した。

「道明寺華がJoe様に対してなんでそんなに冷静なの」

「道明寺華、女じゃないの?Joe様に選ばれて興奮しないの?」

「道明寺華、うちのJoe様にもっと敬意を示して...」

道明寺華は基本的にコメントを見ていなかった。

彼女はJoeに「始めましょうか?」と言った。

「5V5ですか、それとも1V1?」

「どちらでも構いません」

「まずは5V5で」

「はい」

二人はそれぞれランダムに対戦チームに入った。

ゲームが始まると、配信ルームはさらに盛り上がった。

その試合は本当に二人の超絶プレイヤーの完璧な操作を見るだけだった。通常20分で終わる試合が1時間も続き、両チームとも水晶が一つ残っているのに、まだ決着がつかなかった。

ランダムマッチングされたチームメイトたちは呆然としていた。

どんな神様級のチームメイトに出会ったのか、水晶が最後の一滴の体力しか残っていない状況でも、ペンタキルで逆転できるなんて。

最後には、他のプレイヤーたちはほとんど戦わなくなり、チームメイトの操作を鑑賞するだけになっていた。