第440章 冬木心の後悔、木村文俊への反撃(3更)

「既婚者なら、自分の家族を大切にするべきだ!」と冬木郷は真剣な表情で言った。

「じゃあ、姉さんを助けるの?」と北村忠が尋ねた。

「いいえ」と冬木郷は言った。「もし私が姉さんの立場なら、冬木家に戻って謝るわ。私たち冬木家の力があれば、木村文俊なんて簡単に対処できるはずよ!」

「冬木心は戻ってくるかな?」

「それは彼女次第だね」と冬木郷は無関心そうに言った。「姉さんがこの道を選んだ以上、覚悟はできているはずよ。心配しないで、その時間があるなら北村系の経営に集中したほうがいいわ。せっかく成果を出したのに、また誰かに追い抜かれないようにね。井上明親子をどうやって打ち負かすか、私は楽しみにしているわ」

北村忠は携帯電話を強く握りしめながら言った。「今回は、必ず介入する」

冬木郷は本当に呆れた様子だった。

「どうあれ、この件は私が原因だ。木村文俊は姉さんを狙っているんじゃない、私を狙っているんだ」

「狙われていると分かっているのに行くなんて、バカじゃないの?」と冬木郷は彼を非難した。

「でも、姉さんに負担をかけるわけにはいかない」

「北村忠、あなた絶対後悔するわよ」と冬木郷は確信を持って言った。

「しない」

冬木心に費やした多くの感情に、彼は一度も後悔したことがなかった。

今回は客観的な理由も絡んでいて、なおさら後悔する理由はなかった。

「信じないなら、見ていればいいわ」と冬木郷は首を振って、電話を切った。

北村忠も電話を切った。

彼は直ちに北村系を出た。

加賀玲奈は、この半月で初めて社長がこんなに早く退社するのを見た。

うん。

きっと冬木心のせいだ。彼女もニュースを見たから。

はぁ。

加賀玲奈はため息をついた。

どうも社長はまだ冬木心を忘れられないようだ。木村文俊が警告したのに、冬木心を信じないように言ったのに、なぜ信じないのか?冬木心は彼の結婚生活を壊そうとしているだけなのに!

奥様が知ったら、怒り死にするんじゃないかしら!

道明寺華は怒り死にはしない。

ただ、少し悲しかった。

ただ静かに悲しんでいるだけだった。

北村忠は運転しながら冬木心に電話をかけた。

相手の電話は電源が切れていた。

北村忠は車を冬木心のスタジオまで走らせた。

スタジオの入り口には大勢の人が集まっていた。

北村忠は驚いた。