第527章 醜いアヒルの子から白鳥への変身（1）

会場にいる全員の視線がジョー神と道明寺華に集中していた。

ほとんどの人が道明寺華に気づかなかった。

その瞬間、皆が不思議に思ったのは、いつも一人で過ごしていたジョー神の傍らに、突然女性が現れたことだった。しかもその女性は美しく、素晴らしいスタイルの持ち主で、ジョー神の隣を歩く姿は、まさに万人の注目を集めていた。

冬木心と北村忠もその場の視線を独占している二人を見つめていた。

冬木心は自分の外見に自信を持っていたが、それを誇示することもなく、大したことだとも思っていなかった。彼女は常に、努力して得たものこそが誇れるものだと考えていた。生まれつきのものは自慢するに値しないと。しかし、この瞬間...

彼女は認めた。

嫉妬を感じていた。

彼女は道明寺華だと気づいた。

会場で気づいたのは彼女だけのようだった。

隣にいる北村忠さえも気づいていなかった。

なぜなら、ライトの下で道明寺華は本当に美しかったから。

それだけではない。以前とは全く異なる印象だった。以前の道明寺華には少年のような荒々しさがあったが、今の道明寺華は、微笑むと甘美で魅力的だった。

彼女は心穏やかではなかった。

道明寺華がこれほど美しくなるとは、想像もしていなかった！外見で人を魅了することは決して良いことだとは思っていなかったが、この瞬間、負けた気がして、心が落ち着かなかった。

彼女は北村忠の方を向き、二人を見つめる彼の視線を見て、「あれは道明寺華？」と尋ねた。

北村忠が凍りついたのが手に取るように分かった。

目が釘付けになっていた。

彼女は北村忠の視線が完全に道明寺華に釘付けになっているのを見た。

北村忠は本当に気づいていなかった。

ジョーの隣にいる女性に見覚えがあると感じながらも、道明寺華だとは全く思いもしなかった。

道明寺華がこんなに美しいはずがない？

道明寺華のスタイルがこんなに良いはずがない。

道明寺華がこんなに...心を揺さぶるはずがない。

道明寺華は山奥から出てきた、戦闘力が高く、言い争いになるとすぐに人を殴る醜い女の子ではなかったのか？

どうやって白鳥に変身したのか？

どうやってあんな透き通るような肌になったのか。

どうやってあんな繊細で美しい顔立ちになったのか。

どうやってあんな妖艶な体つきになったのか。