冬木心は、時々道明寺華が彼女以上に頑固になることがあると本当に感じていた。彼女は言った。「わかったわ。これもあなたの感情の問題だから、私には口を出す資格はないわね。」
「それで、結局何の用なの?」
「全国大会で優勝したけど、今は国際大会に出場する予定?」
「検討中よ」道明寺華は何も隠さなかった。
国際大会に参加するということは、時々海外に行かなければならないことを意味する。そして今の虎は彼女を必要としていると感じていた。
「虎の世話を心配しているんでしょう?」冬木心は機を見て言った。
「ええ」道明寺華は頷いた。
「実は...今日来たのは虎の養育について話し合うためよ」冬木心はついに自分の目的を明かした。
道明寺華は彼女をじっと見つめた。
冬木心は言った。「認めるわ。子供が小さい時は、確かに母親のそばにいる方が安心感があって、子供の発育にもいいわ。私もネットで子育ての専門ガイドを検索したことがあるけど、子供は母親と一緒にいることで情緒的な支えを得られ、父親と一緒にいることでより自信を持てるようになるって」
「何が言いたいの?」
「遠回しな言い方はやめましょう。虎を北村忠のもとで育てたいの」
「何の権利があって?」道明寺華は突然冷たくなった。怒りは見せなかったが、その様子は人を震え上がらせるものだった。
冬木心も誰かを恐れる人間ではなかった。彼女は言った。「あなたには虎を育てるより良い条件がないからよ」
「北村忠にはあるの?」
「ええ」冬木心は一字一句はっきりと言った。「北村忠には完全な家庭があるわ。父親も母親もいる。虎はこのような家庭環境で、あらゆる面で良く成長できるはず。北村家は裕福だから、虎により多くの教育資源を与えられる。立派な人材に育てることができるわ!」
「北村家で育った北村忠が立派になったようには見えないけど!」道明寺華は反論した。
その瞬間、冬木心は言葉に詰まった。
彼女は少し怒りを帯びて言った。「北村忠は今、ちゃんと北村系を経営しているじゃない?彼の能力は誰の目にも明らかよ」
「人は外見的な能力だけで判断すべきじゃないわ。私は心理教育の方が重要だと思う」
「道明寺華、最後まで話を聞いてくれない?!」冬木心は少しいらだった。
道明寺華は我慢した。