食事の席では、静寂が支配していた。
鈴木知得留も感情を表に出すことはできなかった。
彼女が今心配していたのは、清水紗佳が行動を起こすことだった。なぜなら、彼女は君島御門に何の情報も伝えていなかったからだ。
しかし実際、君島御門側もそれほど愚かではないはずで、清水紗佳が突然家族で食事をすることにした目的も、おおよそ理解しているはずだった。
しかし、このように静かな食卓では、何の異変も見出すことができなかった。
全員が自分の夕食を食べ、皆が極めて自然な様子を見せていた。
しばらくして。
ようやく夕食が終わった。
統領は体調が良くないと言い、部屋に戻って休むと告げ、その他の具体的な事項は清水紗佳に一任すると言った。
そして、君島御門は統領に付き添って去っていった。
そうして去っていった。