第576章 頂上決戦、鈴木友道の顔に泥を塗る!

上野和明は藤縄で道明寺華を縛り、藤縄を掴んで登っていった。

北村忠は下で見守っており、心配そうな表情で彼らが少しずつ登っていくのを見ていた。

しばらくして。

上野和明はついに道明寺華を引き上げた。

彼は藤縄を下ろし、北村忠に投げ、大声で尋ねた。「自分で登れるか?」

「大丈夫です。」

上野和明は北村忠のことは気にしなくなった。

彼は道明寺華を背負った。

道明寺華はそのまま力なく背中にもたれかかり、言った。「師匠、私はもしかしたら...」

「もしかしたらなんてない。」上野和明は彼女の言葉を遮った。「私たちは必ず生きて出られる。」

道明寺華は頷いた。

彼女も簡単には諦めないつもりだった。

彼女にはまだ虎がいる。

虎が家で待っているのだ。

彼女は自分に言い聞かせ続けた、必ず耐えなければならない、必ず耐え抜かなければならないと。