空に色とりどりの風船が舞っていた。
結婚式の会場は非常に感動的だった。
会場は混乱していたが、歓声が絶えなかった。
北村忠だからこそ、こんな笑いの絶えない結婚式ができるのだろう。
式が終わり、全員が隣の宴会場へ食事に向かった。
斎藤咲子も人々に混じって外へ歩いていった。
この時、頭上のガラス屋根がまだ開いていたため、冷たい風が吹き込んでいた。
斎藤咲子は自分の体を強く抱きしめた。
戻る道だったので、柳田茜と村上紀文は彼女の前を歩いていた。
前を歩く柳田茜が突然くしゃみをした。
「寒い?」村上紀文が尋ねた。
「少し」柳田茜が言った。
「こっちに来て」村上紀文は彼女を抱き寄せた。
斎藤咲子はそんな二人を見ていた。
彼らが彼女の目の前にいるのを見ていた。
この時、人が多く、彼女が足を止めれば混雑を引き起こすだろう。
だから彼女は彼らの後ろをずっと付いていった。
隣の宴会場に入った。
宴会場の席はすべて準備が整っていた。
スタッフがリストを確認して席に案内していた。
斎藤咲子は宴会場の個室に招待された。
彼女が入ると、鈴木知得留と冬木空がすでに個室に座っていた。
冬木空は今や立場が違い、先ほどの式場では見かけなかったようだが、北村忠との関係が深いので、来ないわけにはいかなかったのだろう。
彼女は鈴木知得留の隣に座り、冬木空に挨拶した。
冬木空は軽く頷いた。
続いて、冬木郷が部屋に入ってきて、自然に斎藤咲子の隣に座った。
斎藤咲子の体型を見て、思わず感嘆した。「こんな大きなサプライズをくれなくてもいいのに」
斎藤咲子は言った。「あなたに諦めてもらうためよ」
「いや、心が張り裂けそうだよ」冬木郷は真剣な顔で言った。
その言葉が落ちると、村上紀文が柳田茜を連れてこの個室に現れた。
斎藤咲子は考えるまでもなく、これは間違いなく北村忠の意図的な配置だと分かった。
村上紀文は見慣れた顔ぶれを見て、礼儀正しく微笑み、柳田茜の椅子を引いて紳士的に彼女を先に座らせ、その後で柳田茜の隣に座った。
鈴木知得留はそのように村上紀文を見ていた。
冬木郷もそのように村上紀文を見ていた。
そして二人の視線は思わず村上紀文の隣の柳田茜を観察していた。
村上紀文は非常に自然に振る舞い、「柳田茜、私の妻だ」と言った。