「マダム、シャワーから裸で飛び出してこなかったことに驚きましたよ」とカーターは、頭からつま先まで私を見渡しながら、目を輝かせて皮肉っぽく言った。私は思わずバスタオルをしっかりと握りしめた。彼の唇の端にかすかな笑みが浮かび、それが意外にも私を不快な屈辱感で満たした。その遊び心のある笑みを引き裂きたい衝動を抑えるのに、並々ならぬ自制心が必要だった。彼はベッドに座り、明らかに大変な思いをした後のように見え、右腕をヘッドボードに掛け、空いた手には空になった哺乳瓶を持っていた。その横には、泣き叫んで部屋中を混乱に陥れかけた私の娘が、枕に囲まれて平和に眠りに落ちかけていた。
カーターは私の困惑を面白がっていたが、私の視線が彼の輝く目に戻ると、私は挑戦的に顎を上げ、冷静に返した。「さっきのドアを叩く激しさからすると、蝶番が外れなかったことの方が驚きですわ、閣下」満足感が私の中を駆け巡った時、彼の頬が赤くなった。フェイス・ヴィエンヌが泣き止まなかった時の彼のパニック状態を思い出させることに成功したのだ。今度は私が面白がる番だった。私は彼の唇の皮肉な笑みを真似て、彼が眉をひそめて恥ずかしさを隠そうとするのを見つめた。
彼が素早い返答を考える前に、私は急いでバスルームの安全地帯へと移動し、彼の口が驚きで開いたままになっているのを後にした。ドアに辿り着く前に、彼の熱い視線が私の肌に注がれ、首筋にピリピリとした感覚が走るのを感じた。私は急いで中に入り、必要以上の力でドアが閉まった時にびくりとした。バスルームの中のプライバシーに戻ると、大きなため息をつくことができた。偶然鏡に目をやると、自分の姿に顔をしかめた。シャンプーの泡が髪に残り、肩には洗い流されていない石鹸の泡が付いていた。