デートは終わり

彼女は彼を愛している

彼が知ることのない

ほどに。

彼は彼女を愛している

彼が見せることのない

ほどに。

***

私は心残りながらフェニックスを見送った。彼女は振り返ることなくカウンターへと向かった。私は携帯電話に視線を戻し、私たちの写真を見つめながら、大きな笑みを浮かべた。

「神様、彼女は本当に美しい」と私は思い、深く息を吸い込んだ。私の注意は彼女の柔らかく天使のような顔に完全に釘付けになった。背中に翼があれば、まさに天国の神々しい存在そのものだった。

私たちの写真を携帯の壁紙に設定することに成功し、その結果に満足した。今や、彼女の写真が入った私の携帯は完璧だ。

私の視線は素早く彼女の細い背中に移り、カウンターに向かって歩く彼女がゆったりとしたTシャツを着こなしている様子と、一歩一歩魅惑的に揺れる腰に注目した。彼女は意図的にそうしているわけではない。私が密かに見ていることにも気付いていない。