甘い時間

あなたが私を見つめているのを見つけると

そして微笑んで

目をそらすのが

大好き

***

ウェイトレスがすぐに、2杯のカフェモカと2皿の魅力的なアイスクリームケーキを載せたトレイを持ってきた。

その光景を見ただけで、私の口の中に唾液が溜まった。ウェイトレスがテーブルに全てをセットし終わるのを待ちきれず、下唇を噛んだ。彼女は慎重にカップを置き、もう1つも置いた。私はその遅いサービスに思わず目を天に向けそうになった。残りを運び終えるまで、相当な

自制心が必要だった。立ち上がって手伝いたい衝動を抑えるのに。私はお腹が空いていたのだ。誰が私を責められようか?

やっと仕事を終えたのを見て安心し、彼女が次の客の所へ移動する前に素早く「ありがとう」と言った。すぐにデザートスプーンを手に取り、一口分をすくって口に運んだ。天国!アイスクリームケーキが口の中で溶けていく時、思わず目を閉じそうになった。帰りにエリサとマダム・ステラにも持って帰ろうかしら。

「気に入ってくれて嬉しいよ」と彼がコメントした。

エースがいることをすっかり忘れていた。食べている時は他のことが全て消えてしまうの。特にデザートの時は、食べ物が全てなのだ。

ゆっくりと彼の顔に視線を上げた。彼は私をじっと見つめていて、少し居心地が悪くなった。天井の光に照らされた彼の美しい青い瞳が、一層輝いて見えた。

顕微鏡の下の標本のように見られて恥ずかしくなり、目をそらした。彼の眼差しに動揺して。

「フェニックス?」

彼の方に顔を上げた。名前を呼ばれて驚いた。何か問題があるのかと尋ねようとした時、彼の指が私の顔に触れた。

彼の指の温もりが肌に触れた時、私は椅子に凍りついた。彼が触れた場所から熱が広がっていった。

彼の指が頬を撫で、唇の端についたチョコレートの染みを拭うために移動した。

「甘い」と彼は呟き、私の唇の端からチョコレートの残りを拭った指先を舐めた。彼の目が私の目を捕らえて離さない。彼から目を離そうとしたけれど、できなかった。既に魅了されていた。

喉が渇いた。彼がそんな風に私を見つめる中、世界で一番美しい女性になったような気がした。