二人きり

輝く月が美しい星空に浮かんでいた。庭から吹いてくる柔らかな風が肌を撫でたが、私は少しも寒さを感じなかった。腰に回された腕の温もりが、私に必要な暖かさを与えてくれていた。

庭園は月明かりの淡い光の下で壮麗な姿を見せていた。まるで絵画から抜け出してきたような光景だった。時折聞こえる夜行性の虫の音と、遠くから聞こえる静かな声以外は、庭は平和そのものだった。

陽気な客たちからの際限のない祝福の言葉の後、エースと私は二人きりの時間を過ごすため、誰にも気付かれずに庭から抜け出すことができた。

「寒くないか、愛しい人?」彼が耳元で囁くと、私の思考は飛んでしまった。肌に触れる彼の唇の温もりが、全身にくすぐったい感覚を送り込んだ。

「寒くないわ、愛しい人。」私は振り向いて答えた。まるで意思を持っているかのように、私の腕は彼の首に巻き付いた。お返しに、彼の腕が私の腰に回され、私たちの間に空気さえ通れないほど、彼の体に引き寄せられた。

彼は微笑んだ。それは甘く、魅惑的な笑顔で、瞬時に私の膝をゼリーのように溶かしてしまった。「君が恋しかった...。どれほど君と一緒にいたかったか、言葉では表現できないよ。」彼はそう言葉を紡いだ。その愛情と優しさに満ちた言葉に、私の胸は喜びで膨らんだ。

彼の美しい青い瞳は輝いていた。淡い月明かりが彼の顔を照らし、神秘的でありながら魅力的な表情を作り出し、まるで半神のように見えた。

しばらくの間、私は目を閉じた。彼に抱かれながら、この穏やかな夜空を味わっていた。この同じ光景を何度も何度も心の中で想像してきた。まさか今、現実になるとは思ってもみなかった。そして今、それが実現している中で、私の心臓は胸の中で不規則に鼓動を打ち続けていた。彼を失ったと思った時、私は彼をあまりにも愛しすぎていて打ちのめされた。でも今、彼が私のそばにいてくれることで、不安や恐れは、まるで存在しなかったかのように消え去った。