愛し合う

彼が私にキスをしている。

酔った頭で、何が起きているのか理解するのに1分もかかってしまった。気づいた時には、すでに魔法にかかったように、彼の唇から離れることなど不可能に思えた。

彼の唇が私の唇にリズミカルに重なり、その流れに身を任せるよう誘うと、私の目は自然と閉じた。彼を押しのける意志は蝋燭のように溶けていった。残っていた理性も消え去り、私は熱心に彼に応えた。

まるで意志を持っているかのように、私の手は自由に彼の首に絡みついた。

最初は優しく動いていた彼の唇が、次第に深くなっていった。彼の舌が私の口の中に侵入してきた。躊躇なく、私は唇を開き、彼の舌と絡み合った。

これは間違っているはずなのに、とても正しく感じる。彼以外の男性とこんなことをする想像すらしたことがなかった。

服を着たままでも、私の体に押し付けられた彼の体の強い温もりを感じることができた。太ももに硬いものが押し付けられているのを感じ、背筋がぞくぞくした。

彼は私の唇から離れ、私の体から服を脱がせ始めた。

「明日になって後悔するかもしれないわよ、ニック」と私は彼に注意した。彼は服を脱がせるのを一時止め、私の目を見つめて言った。「君は後悔するかもしれないが、僕はしない」。彼の自信に私は驚いた。

彼が本当にそう思っているのか疑問に思いながら、深く息を飲んだ。朝になれば彼の気持ちは変わっているかもしれない。でも、そんな不安があっても、リスクを取る覚悟はできていた。ついに私の唇が微笑みに変わり、「続けて」とささやき、全ての許可を与えた。

それは彼が待っていた合図だった。彼は私の服を脱がせ始め、それらは床に山となって落ちた。生まれたての赤ちゃんのように完全に裸になると、彼は立ち止まり、私を頭からつま先まで見つめた。彼の目の中の熱気で、私の喉はサハラ砂漠のように乾いた。

「君は美しい」と彼は息を呑むように呟いた。温かい指で私の顎の輪郭、首筋、鎖骨の形を辿りながら、彼の榛色がかった緑の瞳には賞賛の色が浮かんでいた。彼は夢見心地のような声で話した。妹の誕生日パーティーだったため、彼は何も飲んでいなかったことは分かっていたのに。

「最初に愛し合った時とは違う」と彼は困惑した表情で呟いた。「こんな気持ちになったことはなかった。結婚生活の間、一度もなかった。まるで10代の少年みたいだ」