彼が私にキスをしている。
酔った頭で、何が起きているのか理解するのに1分もかかってしまった。気づいた時には、すでに魔法にかかったように、彼の唇から離れることなど不可能に思えた。
彼の唇が私の唇にリズミカルに重なり、その流れに身を任せるよう誘うと、私の目は自然と閉じた。彼を押しのける意志は蝋燭のように溶けていった。残っていた理性も消え去り、私は熱心に彼に応えた。
まるで意志を持っているかのように、私の手は自由に彼の首に絡みついた。
最初は優しく動いていた彼の唇が、次第に深くなっていった。彼の舌が私の口の中に侵入してきた。躊躇なく、私は唇を開き、彼の舌と絡み合った。
これは間違っているはずなのに、とても正しく感じる。彼以外の男性とこんなことをする想像すらしたことがなかった。