「私のお尻だって」私は陰気に言い返し、彼の顔前でドアを閉めた。しかし、ドアが完全に閉まる前に、ルーカスは間に割り込んで強引に入ってきた。たった一晩過ごしただけなのに、まるで自分の部屋のように振る舞い、私の後をついてきた。確かにこの家は彼のものだが、私の部屋は私の聖域で、彼には自分の部屋があるはずだ。
「付いてこないで」今朝の出来事の後、もう彼の存在に我慢できず、私は彼に怒鳴った。
「付いてきてなんかいない」彼は答えた。謎めいた表情に子供っぽい笑みを浮かべて。
「いいえ、付いてきてるわ」
「ここは私の家だ。ここにいる権利はある」彼は得意げに応じた。
「でもここは私の部屋よ。あなたには自分の部屋があるでしょ」
ルーカスは何気なく肩をすくめた。「今行かないと仕事に遅れるぞ」と言って、ヴィクトリア様式の大きなソファに居心地よく座った。
「話題をそらしているわね」私は非難した。声には明らかな苛立ちが滲んでいた。
「そんなことはない」彼は言った。その無関心な態度が私をさらにイライラさせた。「今そのセクシーなお尻を動かさないと遅刻するぞ。遅刻する従業員は許さないからな」
私は壁時計を見た。時間を確認して、彼が正しいことに気付いた。
「今回は見逃すけど、これで終わりじゃないわよ」
彼に最後にもう一度睨みつけてから、私はバスルームへ向かって入浴した。
シャワーの下で、肌に流れる生温かい水が私の疼く神経を落ち着かせた。私の散らかった思考は昨夜の出来事を振り返り、瞬時に頬を真っ赤に染めた。まだ足の間が痛かったが、それでもあの熱い場面を思い出さずにはいられなかった。
確かに最初は痛かった。長い間セックスをしていなかったせいかもしれないけど、最初に思っていたほど悪くはなかった。彼はとても優しく、私が傷ついたのは彼のせいではなかった。
「アレクサンドリア、シャワーを楽しんでるみたいだな。私のことを空想するのはやめて、仕事に遅れるぞ」
彼には見えないとわかっていても、私はドアに苛立たしげな視線を投げかけてから、シャワーを止めて体を拭いた。
バスルームから出ると、ルーカスがまたソファに戻っているのが見えた。長い脚を前に伸ばして、とても快適そうな姿勢でいた。さっきまでは我が家にいるような感じだったのが、今度は部屋の主人のように振る舞っていた。