園田円香の動きは素早く、正確で容赦なく、針先が肌に刺さると、江口侑樹の全ての動きが一瞬で止まった。
これは特製の細い針で、針先には麻酔薬が塗られており、肌に触れるだけで即座に広がり、意識を失わせる。
園田円香が江口侑樹が倒れると思った瞬間、彼は手を上げ、再び彼女の手首を掴み、頭上に押さえつけた。
園田円香は驚いて男の瞳を見つめた。
江口侑樹の黒い瞳は深く沈み、少しの曇りもなく、むしろ殺気が増していた。その眼差しは彼女を一寸一寸と引き裂くかのようだった。
そんなはずない!
彼女の細針は今まで一度も失敗したことがなく、象でさえ倒れるのに、なぜ江口侑樹には全く効果がないの?
これは以前の彼女が江口侑樹のことを本当に理解していなかったのか、それともこの2年間で、江口侑樹がより強くなったのか?
江口侑樹は指先でその細針を抜き取り、目を細めて見つめ、嘲笑うような笑みを浮かべた。「園田円香、確かに私は君を甘く見すぎていたようだ」
「だが、これは私には効かない。どうした?これだけの能力しかないのか?」
このクソ男!
園田円香は両手を強く握りしめ、爪が手のひらに深く食い込み、下唇を噛んで血が滲んでいた。
下にいる女性の瞳は漆黒で、目は輝いていた。まるで中に小さな太陽を隠しているかのように、かつての江口侑樹が最も好きだった部分だった。
彼女が彼を見る時はいつも笑顔で、深い愛情を込めていた。
しかし今は、彼女の目には怒りと反抗心だけが宿り、彼を傷つけようとしている...
何かを思い出したのか、江口侑樹の瞳の底にある殺気はますます濃くなり、黒い瞳が徐々に血走り、怒りと欲望が同時に湧き上がり、理性を完全に失わせた。
衣服が一枚一枚剥ぎ取られ、園田円香の力も少しずつ失われていった。彼女は今、もう抵抗する力がないことを知っていた。
しかし、弱みを見せて許しを請うことはできなかった!
江口侑樹の体が沈み込もうとした時、園田円香は突然手を上げ、彼の首に腕を回し、蒼白いが依然として美しい顔を上げ、艶やかに微笑んだ。
「江川社長、そんなにご機嫌なら、私も一度くらいお付き合いしましょう。ただし、お金は現金で、掛け売りはしませんよ!」